Session8【上咽頭共鳴の割合】


図⑥
吸時、声帯は開いている   発声時、声帯は閉じる

(※閉じた声門に空気がぶつかり声帯が震えて声になり、囁き声は声門が開き気味になります)
(※声帯の長さは男性約20mm女性約15mmで短いと振動が強くなり高音になる)
 
上の図⑥は声帯を上から覗いた状態のものになり、左図右図ともに上から見て上がお腹側、下が背中側です。
発声時は右図のように声帯が閉じていますが、発声していない状態では左図のように声帯は開いています。
閉じた声帯に息を当てることによって空気摩擦(振動)が起こり、声が生じます。

目次

1:チェストボイス (低音域の発声) 

男性ですと低音域~中音域にかけては、この声区に該当します。
女性の場合ですと男性よりも高い音域を発声する為、チェストボイスを発声出来ない方もいらっしゃいますが、C3以下辺りはチェストボイスの音域と考えて良いでしょう。

チェストボイスの発声方法ですが、上咽頭での共鳴レベルは低く100%に近いレベルで上咽頭での共鳴はせず、胸での共鳴が強まります。
若干上咽頭でも共鳴が起こるのですが、意識しなければいけないものではありません。
共鳴で意識しなくてはいけない場所は、「チェスト」と名前が付いている通り『胸』です。
とにかく胸で共鳴させて発声するというのが、このチェストボイスの特徴です。

胸で共鳴している状態とは、どんな状態なのか。
鎖骨部分や肋骨を手で押さえてみて下さい。
そして、自分にとってかなり低いと思う声を発声してみて下さい。
それで鎖骨や肋骨が、ビリビリと振動するのが判かればチェストボイスです。
この振動が強ければ強いほど、胸での共鳴が出来ている証拠です。
さらに声が抜けるよう意識して発声して頂けたら、尚良いです。

チェストボイスは発声する時に、胸式呼吸が混ざっても構いません。
完全に胸式呼吸がNGなのは、息を吸う時です。
息を吸う時は、基本は腹式呼吸でなければいけないからです。
チェストボイスは胸式による発声なので、ロングトーンなどを行っても声は長く発声出来ないものです。

2:ミドルボイス(中音域の発声)

男女ともにC3~C5ぐらいの音域の発声です。
女性の場合はC3ぐらいだと、低音域と言って良いでしょう。

発声方法はSession3の共鳴をそのまま行って頂ければ大丈夫ですので、ここでは説明を省略します。

ミドルボイスに限ったことではありませんが、厳密に「これは○○ボイスです」という境界線はありません。

3:ヘッドボイス(高音域の発声)

男性女性の高音域の発声方法です(ファルセットやシャウトなどはヘッドボイスの領域です)。
大体ですが男性も女性もC5以上の音域です。

一般的にヘッドボイスは、上咽頭への共鳴の比重がかなり高いです。
チェストボイス→ミドルボイス→ヘッドボイス→スーパーヘッドボイス
になるに従い上咽頭での共鳴レベルが引き上げられます。
ヘッドボイスに関してもSession3を参照して頂ければ、発声方法は理解出来ます。

4:スーパーヘッドボイス・ホイッスルボイス (超高音域の発声)

スーパーヘッドボイス・ホイッスルボイスは具体的な音域はありませんが、超高音域の発声です。
アーティストで例を挙げるならば、MISIAさんやマライア・キャリーさんの超高音発声がこれに該当します。
完全に腹式呼吸での発声で上咽頭共鳴になり、一般的な男性にはほぼ不可能な発声方法ですが、声楽家だとカウンターテナーで発声する男性も稀にいます。
少しでも喉が締まっていたり力んでいると成功しません。

一番良い練習方法は、先ほども例に挙げているMISIAさんやマライア・キャリーさんの歌っている映像を観て、マネをすることから始めても良いでしょう。
また映像を観ると、力が抜けていることが確認出来ると思います。
女性でも発声する為には、そもそも備わっている発声の才能が必ず必要になります。

ちなみに低音も高音も、限界に近づけば息が多くなります。

※各国様々な音階の表記
伊/ドレミファソラシ
英/CDEFGAB
日/ハニホヘトイロ
独/CDEFGAH(ツェー デー エー エフ ゲー アー ハー)

※俗称とされる音階(正式なものではないがメジャーな呼称)
Low(ロー)     A1~G2
Mid1 (ミッドワン)  A2~G3
Mid2(ミッドツー)   A3~G4
Hi(ハイ)      A4~G5
Hihi(ハイハイ)    A5~G6
Hihihi(ハイハイハイ) A6~G7
注):読み方は他にも「ミドワン」「ミッドニ」などもある。

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