Session16【共鳴の練習方法】

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ファルセットと表声を交互に繰り返す練習方法

本来上咽頭はなかなか声の当たり難い場所で、共鳴が難しい部分とも言えます。
風邪をひいた時に吐き気や頭痛を伴う多くの要因は、この上咽頭で炎症を起こすからです。
普段は上咽頭には声を響かせず、声が障ることに馴れない場所が上咽頭です。
非常にデリケートな場所に声を響かせなければならないからこそ、難しいのです。
様々な神経の中枢と言われている部分が、この上咽頭(視覚、味覚、聴覚、嗅覚の交差点)です。

さてファルセットを発声する為には、上咽頭での共鳴が必要不可欠となります。
つまり難しい発声であるファルセットが出来れば、表声での共鳴も可能だということが言えます。
(ファルセットが発声出来ても、表声が上手に発声出来ない場合の要因は色々あります。
複合的な要因によるものですので、ボイストレーナーの的確な判断及び指示が必要になります)。

ファルセットの技術が不十分であっても、このファルセットと表声を交互に繰り返し練習する(E5⇔F4を交互に発声する)ことにより、共鳴効果を高めることが可能になります。
ボイスポジションの項目で前述している通りですが、母音「E(エ)」の音で練習することが一番効率が良いのです。
ですが、生徒やボーカリストによっては、母音「A(ア)」「U(ウ)」で練習した方が良い場合もあります。

【重要】
上咽頭での共鳴に慣れていない生徒さんの場合、デリケートな喉の上部に物理的に声が当たってしまうので、むせてしまうことがよくあります。
その様な場合は徐々に馴らしてあげて下さい。
いずれにしても上咽頭共鳴をしないと声の鳴りも良くなりませんし、抜ける声も出るようにならず、相対音感もボーカリストとして良くなりませんから、上咽頭共鳴には向き合い馴れて頂くしかありません。

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