ファルセットと表声を交互に繰り返す練習方法
本来、上咽頭はなかなか声の当たり難い場所で、共鳴が難しい部分とも言えます。
風邪をひいた時に吐き気や頭痛を伴う多くの要因は、この上咽頭で炎症を起こすからです。
普段は上咽頭には声を響かせず声が障ることに馴れない場所が上咽頭です。
非常にデリケートな場所に声を響かせなければならないからこそ、難しいのです。
様々な神経の中枢と言われている部分が、この上咽頭です(視覚、味覚、聴覚、嗅覚、など)。
さて、ファルセットを発声する為には、上咽頭での共鳴が必要不可欠となります。
つまり難しい発声であるファルセットが出来れば、表声での共鳴も可能だということが言えます。
(ファルセットが発声出来ても、表声が上手に発声出来ない場合の要因は色々あります。
複合的な要因によるものですので、ボイストレーナーの的確な判断及び指示が必要になります)。
ファルセットの技術が不十分であっても、このファルセットと表声を交互に繰り返し練習することにより共鳴効果を高めることが可能になります。
ボイスポジションの項目で前述している通りですが、母音「E(エ)」の音で練習することが一番効率が良いのです。
ですが、生徒やボーカリストによっては、母音「A(ア)」「U(ウ)」で練習した方が良い場合もあります。
人それぞれ、口腔内の作り、舌の形状が違いますので、一概に「この教え方ならば絶対に上手くなる」という方程式は存在しません。
ボイストレーナーは、瞬時に生徒のウィークポイントを探り当てるスキルが要求されます。
この辺りについては、当連盟主催の『ボイストレーニング勉強会』に参加し、ご質問頂ければ不明な点は解決出来ると考えます。

第4版 Ver.2017.07.10 変更点
・全体的な文章校正
・言葉使い、言語の統一(ひらがな、全角半角の統一含む)
・日本ボイストレーナー連盟の各ページのロゴを省略
・Session1 P.8の上半身図の「腹横筋」の追記。その他文章修正
・Session3とSession8の声帯図の向きの統一
・Session4の「I(イ)」の図の解説文
・Session9【ミックスボイス・ウィスパーボイス】Session追加
・Session10 マイナースケールの半音の灰色ライン部分の修正
・Session12 ソルフェージュの譜面の差し替え
・Session14 図に「腹横筋」文字の追記
・Session15 ビブラートの図。舌の絵の修正、動きの詳細文の省略
・Session20 生理食塩水の分量の記述を省略。
第3版 Ver.2015.12.01 変更点
・文章表現の見直し及び、誤字・脱字などの修正
・Session12を【リズム】から【ボイスポジション】に変更
・生理食塩水については、医療的立場では責任を全う出来ないという当連盟の考えから当該項目の件を全文削除致します
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