Session19【喉のケアの方法】

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喉のケアの方法

担当している生徒が喉を悪くする前に、日頃から喉をケアさせる必要もあります。
うがい手洗いは必ず行わせましょう。

うがい

うがいは歌を歌った後、講演会などで話をした後に咽頭(上咽頭・中咽頭・下咽頭・声帯など)から気管支に至るまで炎症を起こしていても、うがいをすることによって腫れが若干治まります。
炎症は、毛細血管が充血することにより起こるので、うがいの様な充血を鎮める手段により一時的には腫れは引きます。

生理食塩水を使用したうがいでも、効果は高まります。
特に就寝前にうがいを行うと、繊毛の回復も早まり、次の日は喉の調子が良くなります。

手洗い

次に、手洗いは風邪の予防になります。
風邪やウィルスは、主に喉に細菌やウィルスが付着することが原因で起こります。
当連盟では一日の内で、最長でも1 時間おきに定期的に手洗いをするように推奨しています(イソジンはアレルギーがある方がいるので推奨しません)。

耳鼻咽喉科

生徒に本格的に喉のケアを行わせる場合は、耳鼻咽喉科へ定期的に受診する様に指示を出して下さい。

また、喉は複雑な臓器です。
精神的な部分が大きく影響してしまいます。
例えば、「声帯にポリープがあるのではないか?」などと考えていると、本当にポリープ(正確には声帯結節)ができてしまうものです。
気になっている部分に精神的な負担が掛かってしまうことにより、本当に結節ができてしまうことは多々あります。
従って、ある程度リラックスさせてボイストレーナーは生徒へ喉の状態を考えさせることも大事なのです(いたずらに危険性を煽ってはいけません)。

しかし、軽視し過ぎてしまうと、もしも実際に悪かった場合に対処が遅れてしまう場合があります。
従って、ボイストレーナーの皆さんは耳鼻科への定期健診は必ず生徒には勧めるようにレッスンで努めて頂きたいです。
健常な生徒の場合でも自主的に、3 カ月に一回程度でも構いませんので喉の状態を耳鼻咽喉科で受診することを促して頂きたいと考えます。
生徒に耳鼻科を受診させる際は、耳鼻科の先生へは歌をプロとしてやっている、または趣味で嗜んでいることなど、立場を必ず初めに告げておくことを忘れずに。

よくある喉の疾患

最後に例としてよくある喉の疾患を挙げておきます。

1:風邪

上咽頭~下咽頭にかけて、広い範囲で炎症が起こる場合もありますし、場合によっては熱を出すこともあります。
下咽頭まで炎症が広がっている場合は、声を出してはいけません。
更に奥の気管支まで炎症がある場合は、気管支炎なので声だけではなく腹式呼吸などの呼吸方法の練習は厳禁です。

風邪は繊毛が破壊され、毛細血管が充血している状態です。
この場合、声帯も充血していることが多いため、無理に声を出せば声帯結節の原因になります。
リズムなど、呼気を使用しなくても可能な音楽的練習を行う様にすることが良いでしょう。

2:声帯結節の場合

声帯結節のことをポリープと言う方々も多いのですが、ポリープは腫瘍のことです。
つまり結節とは異なります。
声帯結節というのは、喉にできた“タコ”(ペンダコのあのタコと同じ)のことです。
ポリープとは本当は異なりますが、症状が形状として似ているので一括りにポリープと呼ばれます。

さて、前述した通り声帯結節は風邪をひいて声を酷使した人によく診られる症状です。
声帯は閉じることによって声になるのですが、その声帯(声門とも言う)に“タコ”ができることによって上手く閉じなくなってしまうのです。
その結果、ガラガラした声(嗄声-させい-)になります。
そうなると、輪郭や芯のある声は出せなくなり、共鳴も難しくなります。
共鳴が難しくなるということは、つまり力んで無理に発声しようと身体は働きますから、マイナスのスパイラルに陥ってしまうのです。
まれに喉の強い人は、声帯結節の初期段階でも歌いこなせてしまうことがありますが、気づかないと結節は大きくなりますし、声帯の左右にできてしまう場合もあります。
早期発見が大切です。

もし声帯結節になったら、結節が消滅するまでは発声をしないことが大事です。
可能であれば、数カ月筆談を行うというのも手ですが、これは現実的ではございません。
普段の話声もなるべくしないようにして下さい。
電話での話し声は喉に負担が掛かるので厳禁です。

3:ポリープの場合

ポリープとは腫瘍のことです。
声帯にも腫瘍ができることがあります。
この場合は、ほとんどが手術を行わなくてはなりません。
ちなみに、結節の場合もポリープという人がいますが、結節は全く発声しなければ自然に治ります(ただボイストレーナーが生徒に接している場合は、生徒を耳鼻科にも通わせなくてはなりません。また、完治するまでは生徒にはなるべく発声を控えさせましょう)。

ポリープが完治するまでは、ボイストレーナーと耳鼻咽喉科の医師とで生徒を仲介して、レッスンを遂行して下さい。
発声は控えなくてはなりませんが、喉のケアの知識を生徒に教えることもボイストレーナーの仕事なので、一概にレッスンをストップするのは良いことではございません。
ポリープも早期発見が重要です。
症状としては、常時ガラガラ声になってしまうという点が挙げられます。

4:耳の病気の場合

耳の調子がおかしいと生徒が感じていたら、すぐに耳鼻科で聴力検査を受診させましょう。
例えば、一番多いのが難聴ですが、音が聴こえづらい症状が長く続いたら疑いましょう。
ただ、難聴は発声を生業にしていたり、嗜む場合の職業病の様なものですから難聴になるのは致し方ない部分もあります。
あまり難聴になっても精神的に自分を追い詰めず、耳鼻咽喉科の医師と相談しながら治療することが大事です。

難聴は放って置いても治ることがないです。
普段からあまり大きな音で音楽を聴かない、ヘッドホンで聴かないなど、耳への負担を軽減しましょう。

難聴は重篤になると、ミュージシャンにとって非常につらいものですが、難聴に限らず耳や喉の病気については毅然と向き合いましょう。

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