Session11【ソルフェージュ】

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1:ソルフェージュの必要性

ソルフェージュとは、音感を養うための基礎教育の総称で、聴音のような音による聴覚的視点のトレーニングと、楽典や記譜に関する理論的なトレーニングの両方を総合的に捉えたピッチ(音感)トレーニングの名称です。

日本ボイストレーナー連盟では、発声に関するソルフェージュについて聴覚的視点と理論的視点の両面から音感を高めて行く練習を推奨します。
聴音での練習方法は、すなわち共鳴による骨伝導のことです。
肉体的側面で、自分の声がどのような音を出しているのかを感知・捕捉するという練習方法です。

これからご紹介する『2』~『5』の練習方法は、理論的に音感を鍛える練習方法ですが、実際行ってみればそれらの練習も声帯を使うので肉体的な練習方法だとも言えるでしょう(ただし、基本的には楽譜を使用するので論理的側面が強いです)。
論理的なのに肉体的と言えるのは、例えば『2』のような半音のスケールを完璧にする発声する場合、“声帯が半音ずつ閉じている感覚”‟半音ずつ上がる共鳴の感覚“というものも研ぎ澄ます必要があるのです。
これが論理的なだけではなく、肉体的と言える所以です。

歌のボイストレーニングの場合には音感を鍛えるために役に立つ練習方法なので、必ず練習に取り入れて下さい。

ちなみに、練習には鍵盤楽器(できればキーボード)が必要になります。
それと、自分の声を録音する機材を用意して下さい。
次ページの譜面は、ソルフェージュに必要な譜面です。
男性のFキーに合わせて作っている譜面です。
女声の場合にはA キーがちょうど良いですが、双方個人差はあります。

Session11 ソルフェージュ

-譜面-(クリックで拡大します。)

ソルフェージュ譜面

2:半音の発声スケール練習

半音のスケール練習の事を、クロマチックスケールの練習とも言います。
譜面上のEx.3 が半音階(クロマチックスケール)です。
1 オクターブの中の12 個の音全てを使った練習方法です。
譜面通りに鍵盤を弾いてみて、どのような音が鳴るのか確認することから始めます。

ピッチを鍛えるスケール練習は、前述している通り男女により練習するキーを変えなければなりません。
男性の場合はFキーで練習。
女性の場合はA キーで練習するのが無難です。
ただ、男女関係無く人によって音域が違いますから、一概にこのキーで練習するのが良いとは言い切れません。
自分に合ったキーで練習するのが一番良いでしょう。
慣れてきたら色々なキーで練習していきます。

さて、話がそれましたがもう一度Ex.3 をご覧下さい。
これは、ひとつのチェック項目になります。
鍵盤を弾かない状態(つまりアカペラ)で、確実にこのスケールを音を間違わずに発声することができるかどうか確認してみて下さい。

できましたでしょうか?

もしできないようでしたら、Ex.4 をご覧下さい。
これは、半音での共鳴度合や声帯の使い方を鍛え上げる為の練習方法です。
半音で隣り合った音を繰り返しているだけの音符の並びです。
鍵盤で音を出して、Ex.4 を発声しながらなぞって行きます。
しかし、この時なぞっていても音が外れてしまう人もいます。
その為に、自分を客観的に判断してくれるものが必要になります。

それがレコーダーです。

ソルフェージュの練習を行う時は、レコーダーが必要不可欠です。
必ず横に置いて練習して、何度も何度も聴き返し、発声した音のピッチが間違っている部分を正確に把握して下さい。
どんな音がどんな風に間違っているのか、その時身体の使い方はどのような状態であったのか、など色々考えながら練習しなければいけません。
それを繰り返し行うことによって、ピッチはだんだん研ぎ澄まされて行くものです。

単純な練習方法であり、人によっては難しいのがソルフェージュの特徴です。
しかし、着実に良くなる練習方法です。
ハミングで練習することも、声の響きを確認しながら行えるので効果的です。

3:全音の発声スケール練習

譜面ではEx.1 をご覧下さい。
これが全音の練習(メジャースケールの練習)になります。
ドレミファソラシドの並びで、キーが変わっているだけです(この譜面ではF キー)。

しかし、たかがドレミファソラシドですけども、されどドレミファソラシドです。
アカペラで伴奏無しで発声テストをしてみると、意外と終わりの音がずれていたりします。
レコーダーなどで録音して確認してみて下さい。

テストで間違ってしまった場合の練習方法は、Ex.2 をご覧下さい。
半音の練習と同じように、全音で隣り合った音を2回ずつ繰り返しているだけの音の並びで、鍵盤を弾きながら発声してなぞります。
半音と同じ練習方法になりますので、クロマチックスケールのソルフェージュの解説を参考にしてみて下さい。
クロマチックスケール同様にハミングで練習することも声の響きを確認しながら行えるので効果的です。

4:3度の発声スケール練習

譜面でEx.5 をご覧下さい。
3度のスケール練習になります。
3度と4度は抑揚の練習にもなりますので、腹式呼吸を使った発声練習としても効果的です。

Ex.5 にて、これを伴奏無しで発声しきれるかどうかチャレンジしてみて下さい。

これに失敗した場合の練習方法は譜面にはありませんが、半音の練習、全音の練習と同じように隣り合った音を2回ずつ繰り返して鍵盤で弾き、発声してなぞるだけです。
声帯を使う感覚というのを研ぎ澄まして下さい。
慣れてきたらまた通常の発声で自分なりにテストをしてみましょう。
その際録音機材(レコーダー)は忘れないで近くに置きましょう。
ハミングで練習することも声の響きを確認しながら行えるので効果的です。

5:4度の発声スケール練習

譜面でEx.6 をご覧下さい。
4度のスケール練習になります。
先ほども述べましたが抑揚の練習にもなります。

難易度としては、4度は半音・全音・3度よりもずっと難しい練習になりますので、それらの練習がクリアできてから4 度の練習を行ってください。

これに失敗した時の練習方法は譜面では割愛しましたが、半音の練習、全音の練習と同じように隣り合った音を2回ずつ繰り返して鍵盤で弾いて、それを発声でなぞるだけです。
ハミングで練習するのも効果的です。

* ソルフェージュの練習は、通常発声をしながら練習することも大事だと考えますが、ハミングで行うと口腔内で声が共鳴し確かめられるので分かりやすくなります。

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