ボイトレで声域(特に高音地声)の幅を広げたい

LINEで送る
Pocket

皆様、こんにちは。
連盟スタッフおよびボイストレーナーの通称Aです。
さて、今日も実際に勉強会で参加者様からご質問頂いた内容について検証してみましょう。

某日の勉強会にて『ボイトレで声域(特に高音地声)の幅を広げたい』というご質問を頂きました。
ボイストレーニングで高音域を地声で出すにはどうしたらいいのか?という事です。
これについて私と皆さんとで考えて行きたいと思います。

声域を広げるためのボイトレとは

まず、高音の地声を出す為に最低限必要なボイトレ手段を挙げてみます。
・腹式呼吸のマスター
・共鳴のマスター
・ハミングのマスター
・ロングブレスのマスター

です。

最低限必要な項目はこの4つです。
それ以外に必要な項目は、教わる側…つまり、生徒さんの状態によって対応を変える必要があるので、今ここでは議論しない事にします。
もっともオーソドックスな地声の高音を出すボイトレ手段は4つという事になりますね。

腹式呼吸・共鳴・ハミング

先ずは、腹式呼吸。
これについては今までも多く連盟のサイトにて投稿されている話題ですので、これについては今回はあえて省略させて頂きます。
(※腹式呼吸についてはこちらから)
詳細については、ボイストレーニングガイドラインをダウンロードし練習してみて下さい。
共鳴、ハミングも同様です。

ロングブレス

しかし、意外と知られていないのが、ロングブレスが高音を出すボイトレの手段として使えるという事実。
これってご存じでしたか?

ロングブレスは声を安定して発声する為だけの練習としては実は勿体ないのです。

ボイストレーニングガイドラインでは、45秒長く圧力のある息を腹式呼吸により吐き続けるという事を書いてあります。
45秒も吐くには、実は腹直筋上部(あばら骨の谷間部分)が柔らかい風船みたいに膨らまないと出来ません。
つまり、腹直筋下部を凹ませ、腹横筋を横にせり出させる事により下腹部の容積が狭まる。
力む事がなければ、その分上腹部は膨らみます。

お腹を風船に例えるなら、風船の下の方をぎゅーーっと押さえれば上の方はぼこって膨らみますよね?
それと同じ事がロングブレスでは出来ていないと、45秒は吐けないという事なのです。

実は高音の地声が出せるボーカリストは、上腹部の力みがありません。
上腹部が力んでしまうと、横隔膜が上がり切らないので高音が出ないのです。
地声の高音だけではありません。
ファルセットもなるべく上腹部を力ませず出す事で発声出来る様になります。
シャウトもそうですね。

なので、『腹式呼吸』『共鳴』『ハミング』の練習をしてもイマイチ高音の地声の出し方がボイトレで掴めない場合。
そういう時は、『ロングブレス』で上腹部を力ませない体づくりをしてみると、高い効果を期待できます。

今日はボイトレで地声で高音を発声するにはどうしたら良いのか?
これについてロングブレスの観点から考察してみました。

一般社団法人
日本ボイストレーナー連盟

LINEで送る
Pocket