2019年2月 航空保安大学校にてボイストレーニングを行いました(姿勢・腹式呼吸・脱力・発声)

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日本ボイストレーナー連盟 運営委員長の鈴木智大です。
先日、2月25日に大阪にの国土交通省、航空保安大学校の管制科のクラスでボイストレーニングの授業を行って参りました。

管制官は管制塔からマイクを通してパイロットとコンタクト取るお仕事。
いい間違えや聞き違いがあっては航空事故に繋がる可能性があるためとても責任の大きい業務です。

大学を卒業してすぐに航空保安大学校に入る人もいれば、一旦社会人を経験してから入る人もおりますが、その倍率はおよそ10倍くらい。
狭き門をくぐった皆様ですからとてもモチベーションも高い方たちばかりで、私自身もとても勉強させて頂きました。

そんな皆様はボイトレを受けたことがある、という方は0人。今回はどのようにすれば緊張感のある中でも相手に伝わる声を作れるのか、という点について講義&ボイストレーニングを一人一人実施しました。

航空保安大学校 ボイストレーニング (3)
航空保安大学校 ボイストレーニング (2) 航空保安大学校 ボイストレーニング (1)

実施したこと

・姿勢(肩幅に足を広げることで身体を安定させる)
・呼吸(腹式呼吸)
・脱力(肩や胸の脱力)
・発声(響く声、喉を開く)

立ち姿勢と座り姿勢

立ち姿勢は基礎を学ぶため、座り姿勢は実際の業務を想定して行いました。
座り姿勢の場合は、椅子に対して90度で座れると余計な負担が身体にかからず声も息も安定します。

呼吸

そして呼吸。
胸式呼吸は息のコントロールが難しいため腹式呼吸を行います。
息をたくさん吸い込もうとして行うとどうしても肩や胸が膨らみ力んでしまうため、「息を吐ききった状態でお腹の力を一気に緩める」ことを行うことで自然な腹式呼吸を実施しました。

脱力

そしてこれらのことを行っているとどうしても肩まわりや胸周辺、上半身に力みが生じますので「脱力」を取り入れます。
リラックスした状態で呼吸ができれば息も安定します。

発声

最後に発声。
小説の一部を抜粋した文章を読んで頂き、呼吸や脱力をチェックしつつ発声します。
この時、ただ声を出すのではなく、鼻の中(鼻腔)や口の中(口腔)へ声を響かせるようにして発声します。
そうすることで無理のない力加減で通る声、マイク乗りの良い共鳴された声が作られていきました。

今回はのクラスは全体的に静かな人が多かったため、声も小さな人が多かったように感じましたが、マイクの乗りを良くするという意味では皆さん上手に発声できていたように感じます。

また、最後には滑舌トレーニングとして早口言葉、母音と子音の気をつけ方などもお伝えさせて頂きました。

航空管制官のカリキュラムの中では特に異質な分野のため、皆さんとても興味深く講義を聞いて下さいました。

ボイトレ講義は半年に一度きりのカリキュラムですが、ボイトレ自体は継続が力になる分野のため、自宅でのトレーニング、継続的なトレーニングを実施していただけたら幸いです。

今回で6回目ですが、これも継続してより多くの管制官の皆様のお力になれることを願っております。

一般社団法人 日本ボイストレーナー連盟
運営委員長 / 鈴木 智大

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