ビブラートの教え方について‏

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皆様こんにちは。
連盟スタッフおよびボイストレーナーの通称Aです。
さて、今日も実際に勉強会で参加者様からご質問頂いた内容について検証してみましょう。

某日の勉強会にて『ビブラートの教え方はどうやったら良いでしょう?』
というご質問を頂きました。
これについて私と皆さんとで考えて行きたいと思います。

ビブラートの教え方

まず、結論と言いましょうか。
ビブラートの事実と言いましょうか。
はっきり申し上げますが、ビブラートは

①どうしてもビブラートが掛かってしまうボーカリスト
全然ビブラートが掛かからないでストレートに歌い上げてしまうボーカリスト
③器用にビブラートを掛ける事も、ストレートに真っ直ぐに歌う事も、どちらも出来るボーカリスト

に分かれます。
3つのパターンが存在します。
これはもう声質と同じ様なもので、個性とも言えると考えます。
従って、②のボーカリストにビブラートを教え込むのは至難の業です。

なぜなら個性を曲げて行く事になるのです、上手に教えないとそのボーカリストの特徴や個性というものを曲げる危険性があります。
また3つのパターンがあるのは事実なので、その上でそのボーカリストがどのパターンに属するのか説明して、可能であればそのボーカリスト自身が得意とする土俵の上で歌を歌う様にリードしたり諭す事もボイストレーナーとして大きな役割と考えます。

ビブラートのボイトレをするメリット

話をボイストレーニング方法に戻しますが、ビブラートのボイトレには意味はあります。
ビブラートを練習すること自体にメリットがあるのです。

実際に②(全然ビブラートが掛かからない)のボーカリストが私の生徒で随分前にいらして、ビブラートの掛け方を強く希望された為、前述した個性を説明した上で練習を数か月しました。
すると、歌い方が前よりも断然器用になったのです。
声の出し方に色々な表情が出る様になりました。
ちなみにビブラートが得意には勿論なりませんでした(でも、大分掛かる様にはなりました)。

この歌い方が器用になるというのがビブラートのボイトレをするメリットなんです。
従って、ビブラートの練習を本人の個性を殺さない程度に教えて行く事がボイストレーニングでは大事になります。
※相当、練習を重ねればビブラートを掛けられないボーカリストも掛けられる様になりますが、私の経験上、本人の元々の良さを削いでしまうのでやっぱり諭した方が良いと考えます。

ビブラートのボイストレーニング手順

以下、ビブラートの教え方(※連盟発行のボイストレーニングガイドラインにも掲載されているものを端折って説明致します)。
①:基本、ボイストレーニングガイドラインに載っている『あ』の発声の口の状態でスタンバイする。
②:舌のポジションが正確である事を手鏡を使いながら確認する。
③:腹式呼吸による共鳴のしっかりとれている『あ』のロングトーンを行う。
④:口蓋垂(のどちんこの事)部分を激しいスピードで開いたり閉じたりを発声しながら繰り返す。
⑤:腹横筋を横に張り上げつつ行うとなお良いです。

この①から⑤までの行程を繰り返し行う事がビブラートの練習方法でボイストレーニングガイドラインに添った内容になります。
もっと簡単に説明すると、

・喉を開いたり閉じたりを高速で繰り返す。
・共鳴のレベルを上げたり下げたりを高速に繰り返すとビブラートが掛かります。

ちなみにこれは文章ではさすがに説明に限界があると思いますので、実際に見てみたい。
もしくは実際に声を聴いてみたいなどの要望が出て来ると思います。

その場合は日本ボイストレーナー連盟のJAVCERT勉強会に参加されると良いです。
文章では解り辛いですが教鞭を執るボイストレーナーが実演してくれるので非常に解り易いです。
是非、ご検討下さい。

一般社団法人
日本ボイストレーナー連盟

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