子供に対するボイストレーニング方法について

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こんにちは。
一般社団法人日本ボイストレーナー連盟スタッフです。

音楽教育、知育の一貫としてお子さんに習わせる親御さんもいらっしゃいますが、そもそも子供が受けるボイストレーニングとはどのようなものであり、ボイストレーナーとしてどのように現場でレッスンに取り組んでけばよいのかについて、本日解説させて頂きます。

年齢的には、大体4歳から7歳位までを想定してお話ししたいと思っております。
また小学生以上の年齢のお子さんについては大人と同様、または少しマイナーチェンジしたものをレッスンの内容として行っていくと良いかと思います。

リトミックで発声の楽しさを見出す

4歳から7歳位までの子供にとってはまず発声すること自体を楽しむことが重要です。
ボイストレーナーが子供と一緒に楽しみながら音楽を共有し合うトレーニング方法をリトミックといいます。
リトミックは大人に対してはあまり効力を発揮するものではありませんが、小さいお子さんにとってはものすごく大きな効力を発揮します。

リトミックによりリズム感を鍛える

子供に対しリズムを教えていく際に表拍や裏拍、8分、16分…などを言葉を使い理論的に教えていくのはかなり難しいものですし、ナンセンスです。
リズムを教えるのが難しい理由として、言語のレベルが大人と違い発達していないから教えられないと言えます。
子供にリズムを教える場合は、一緒にリズムをとりながらボイストレーナーが子供に対してリズムをノリと言う観点で共有し共に体現していくことが重要になってきます。
したがって子供たちに教える際にボイストレーナーにリズム感が備わっていなくては全くリトミックは成立致しません。

ボイストレーナーにとってリトミックは難しい

ボイストレーナー自身が楽しみ、音楽を子供たちと共有する事はとても大事ですが、それはボイストレーナーとしての教養とレベルが高いものでなくてはいけなくなりますので、とにかくリトミックは経験が必要になってきます
この場合経験だけが必要なのではなく、知識も必要です。
上記のようにリズム面だけの知識が必要なのではなく、他にも音楽的な理論…つまりコードに関しての理論であるとか、楽器を弾きながら歌うことができるかなど、様々な音楽性がボイストレーナーに求められます。
教える相手が子供だからと言って、最低限の知識や経験則から教える事はしないようにしましょう。

子供は音を楽しむ事が大事

発声すること自体を楽しむことが重要とお伝えしました通り、子供にとって物事に好きで取り組んでいく際、一番大事な事は楽しめるかどうかと言うことです。
それは継続できるかどうかと言うことに関しても同様のことが言えます。
音楽は楽しいものである、発声は楽しいものであると言うことをボイストレーナーが教えてあげられなくては、子供に対してのボイストレーニングは成立しません。
子供に対して上咽頭での共鳴の方法であったり、腹式呼吸の理論的な方法を教え込むよりも、単純に楽しみながら大きな声を出すことだけで(ある程度)共鳴が成立してしまいます。

なぜ子供は共鳴が成立しやすいのか

子供は腹式呼吸で使用する横隔膜と咽頭(主に下咽頭に位置する声帯)との物理的な距離感が大人と比べるとはるかに短い距離です。
例えば大人の身長が170cmだとすると、4歳から7歳位の子供の身長と言うのはざっくり100cm位と仮定し比較した場合、横隔膜から喉仏までの物理的距離が身長差により短いのです。
距離が短いと言う事は横隔膜を上に押し上げ、腹圧を上げ声を出す際に、腹圧が高まりやすいと言うことが言えますので、子供は楽しんでいる際に声を出すと大きな声が出しやすい、つまりそれはお腹を使って勝手に共鳴ができやすい(成立しやすい)と言うことであると考えることができます。

子供へのボイストレーニングを教える際のNG行為

子供へのボイストレーニングで絶対にやってはいけないこと。
それは音楽が嫌いになってしまうことです。
大人のボイストレーナーが子供にレッスンを行う場合、音楽・発声を子供が好きになる要素を提供することができる反面、子供が音楽や声を出すことに対して嫌いになってしまう選択肢を与えることにもなりかねません。
これだけは絶対に避けねばなりません。

歌唱力において子供の才能は小学校高学年に開花する可能性が高い

これは統計を取ったわけではありませんが、子供の歌唱力の開花する年齢的なポイントは小学校の高学年である可能性が割と高いと言えます。
そこに至るまでの期間、つまり4歳から7歳位までの期間に音楽を嫌いになってしまっては元も子もありません。
可能性を潰すような事はせず、とにかく何よりも優先して子供に音楽を楽しんでもらうボイストレーニングを行うことがボイストレーナーにとって求められるところだと考えます。

本日は、子供へのボイストレーニングについてお話しさせていただきました。

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