発声練習における唇の形について

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(一社)日本ボイストレーナー連盟です。
新しくご質問を頂きましたのでご回答をさせて頂きます。

発声練習にあたって、唇の形状をどうすれば良いのかと言うご質問をいただいておりますので、回答いたします。

発声練習における唇の形について

ご質問内容
ハンドルネーム:  w_maton
性別: 男
年齢: 35

ご質問タイトル: 発音について

ご質問内容: ガイドラインSession4発音に、各母音の発声方法が記載されていますが、特に「ア」以外の唇の形について、
「唇をしっかり横に開ける」「唇をすぼめる」
といった記載がされています。

自分はこれまで様々なところで「発音の際、口(唇)は縦に開ける」ということを教わり、教える立場としてもそのように教えて来ましたが、
ガイドラインの記載は、あくまで基本の形で歌う際のポイントとは別、という認識でよいのでしょうか?
それともこれまでの認識を改めた方がよいのでしょうか?

ご回答
この件に関してSession4では、あくまでも発声練習での場合、基本的な唇の形状と言うのはどうあるべきかを解説しております。

Session4【様々な発音】
例えば唇の形だけで申せば、「あ」の場合は唇を横に広げた状態、「い」の場合も唇を横に広げた状態、「う」の場合は唇をすぼめた状態、「え」の場合は唇を横に広げた状態、「お」の場合は唇をすぼめた状態。
大まかな説明ですけれども、Session4に書いてある唇の形状においては上記のような記述があります。

歌っている時に必ず同じ形状でなければいけないわけではない

ただしこれはボイストレーニングのような発声練習を行っている際の唇の形状の話です。
歌っているときには、必ずしもSession4に記載されているような形の形状を取らなければならないと言うことではございません

歌っている場合は前後の言葉によって、力の抜き方とか力の入れ方と言うのも変わります。
そういう意味では、例えば「あ」の発音を歌で行う場合その前の音の高さとか低さ(音階)によって、「あ」の発音も唇を少しすぼめた状態で発音した方が良い場合もあります。
他の発音も全て同様です。

しかしながら基本的なボイストレーニングでの母音の発声方法や唇の形状と言うのを知っておかないと、歌で響きを維持することが難しかったり、そもそもの基本的な歌い方のスタイルというのが定まらなかったり様々な問題が生じてきます。
自分を見失った場合も基本に立ち返れば、自分のスタイルに戻ることも可能です。
そういう点から、Session4では基本的な唇の形状と言うものが記載されていると言うことでございます。

質問者様がおっしゃられている唇を縦に開ける発声をすべての発音で行うと言う事ですが、オペラのような発声方法のジャンルではよく取り入れられている方法かと推察いたします。
当連盟の中心に据えているジャンルがJ-Popと日常会話とになりますので、唇を縦に開けると言う方法は採用していません。

また何かございましたらお気軽にご質問を頂ければ幸いです。

お気軽にご質問下さい、ご質問フォームはこちら

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