腹式呼吸の下腹部(丹田)の動きについて

一般社団法人日本ボイストレーナー連盟です。
ボイストレーニングに関するご質問ありがとうございます。

今回、当連盟の資格取得を目指されている方より、腹式呼吸における丹田部分の使い方についてご質問を頂きました。
この丹田の部分を、「硬くするのか」「へこませるのか」表現の解釈の仕方だと想定されますが、この点についてお話ししたいと考えます。

目次

複式呼吸の際の丹田の正しい状態について

ご質問内容
ハンドルネーム: ythys
性別: 男
年齢: 35
ご質問タイトル: 腹式呼吸の解釈(session.1の内容について)
ご質問内容:
資格取得に向けて、教材を利用して学んでいるボイストレーナーです。

腹式発声の際、自分は過去に学んだトレーナーから「息をはく時に丹田が硬くなっていく感覚」と教わり、実際その感覚でやってみたところ自分自身の発声が向上したのでこれまでそのように認識していたのですが、教材では逆の意味で書かれていたように思い、自分の中で迷いが生じています。

これから生徒に伝えていくにあたり、どのように解釈するのがよいでしょうか。

ご回答
日本ボイストレーナー連盟の方針として、「感覚」に重きを置いた表現というのは極力避けております。
例として「大きな声を山の向こうのほうに届くように発生する感覚で歌ってみましょう!」など抽象表現、感覚的表現は当連盟では避け、理論的に解説していくと言うところがボイストレーニングガイドラインも含めた方針です。

丹田を硬くする=丹田を凹ませるという事

その上で、丹田部分を硬くしていくと言う事は、実際は腹直筋下部(丹田)を力を入れてへこませていくと言うことに等しい内容だと考えます。
ただ当連盟発行・配布のボイストレーニングガイドラインでは、丹田部分を力を入れてへこませていくという表現をしておりますが、同時に腹横筋部分は横にせり上がっていく(せり出して行く)筋肉の動きもあると表現しております。
※上記の表現についてはボイストレーニングガイドライン記載のままではなく、本記事用に言い換えてあります。

イメージを高めていただくために、お腹の前のほうはへこませる、そして横のほうは飛び出させる、これは息を吐くときのお腹の力の使い方です。

追加で解説致しますと、息を吸うときはこれらの使っている力を全て抜く。
そうすると力が抜けたことにより臓器が全て元の場所に戻ってくる。
だから、横隔膜も勝手に下に下がってきて、呼吸が入ってくる容量が増えて勝手に息が口元から入ってきてしまった(鼻から入ってきてしまった)、と言う状態をつくります。
上記については、ボイストレーニングガイドラインもご参照ください。

以上になります。

感覚的な表現ではなく具体的かつ理論的な説明が大事

ボイストレーニング業界の難しいところは、教える方法で感覚的な言葉を使うことがとても多く、ボイストレーナー側も生徒側も他者と比較してしまうと表現方法が違うことにより混乱を招いてしまいます。
このような混乱を招かないためには、理論的な解説を行うと言うことが必要不可欠です。
ただ、生徒自身が簡単にイメージを膨らませたり、理解の助けになるようであれば抽象的な表現も必要とも言えます。
大事なのは感覚のみに頼らない事と言えます。

今後も日本ボイストレーナー連盟はボイストレーニング業界の指導方法の統一性について強化していくために邁進していきたいと考えております。
良い質問をいただきありがとうございました。

一般社団法人日本ボイストレーナー連盟

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