Session13【ボイスポジション】

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1:ボイスポジションとは

『ボイスポジション』は、一番声が上咽頭で共鳴するポイントのことです。
ボイスポジションは一つしか存在しません。

ボイストレーナーが生徒にもっとも共鳴する音を指し示すことで、共鳴を理論的に理解させるだけでなく身体的に理解させることが可能です。
特にボイストレーニングを始めたばかりの生徒に関しては、ボイスポジションを確定してあげることがとても重要になります。

ただボイスポジションは、生徒のスキルがレベルアップすることで変化します。
仮にF♯4がそもそものボイスポジションだったとしても、半年後にチェックしたら「発声能力が向上していてD♯4になった」というのは良くある話です。

2:ボイスポジションの見つけ方

まず、男女それぞれ大体どの音で声が共鳴し易いのかを事前にある程度知っておく必要があります。

男性の場合…C4~G4の間
女性の場合…D4~A4の間

です。
一般的に約8割は上記の音域でボイスポジションを見つけることが出来ます。
残りの2割は極端に声が低いなどの特殊ケースです。
特殊ケースは様々なので、ボイストレーニングレッスンの中で発見してあげることがボイストレーナーとしてのスキルを問われる部分であります。

話を元に戻し、ボイスポジションは大体どの音域で見つけられるかを述べました。
以下は実際のボイスポジションの探り方です。

まず、楽器を用意します。
可能であれば鍵盤楽器で、しかも調律する必要のないキーボードが最良です。

キーボードを用意したら生徒に発声して貰います。
発声して貰うのは5つの母音です。
つまり『A(ア)・I(イ)・U(ウ)・E(エ)・O(オ)』
です。

発声する音域は、まずはボイスポジションの可能性が高いと考えられる音域です。
単音でそれぞれの母音を発声していきます。

あとは、ボイストレーナーが生徒の声でどこの音をどの母音で発声している時が一番共鳴しているのか、を判定するだけです。
よくある方法としては、母音の『E(エ)』を発声する時にボイスポジションを確定し易いです。

ただ、Session4でも記載している通り、母音『A(ア)』の発声が基本です。
共鳴を理屈で教える際も、母音『A(ア)』の口腔内の形を説明することが基準です。

仮に母音『E(エ)』でボイスポジションを確定し、生徒に共鳴を身体面・肉体面で理解して貰ってもそれは理解のきっかけでしかありません。 
結局は母音『A(ア)』で発声出来なければ、意味がありません。
もっと言えば、他の母音でも発声出来なければなりません。

しかしながら、きっかけというのは重要です。
実際に共鳴が出来ている状態を、まずは体で理解して貰うというのはレッスン手段としては非常に有効です。

3:歌唱に行き詰ったらボイスポジション

歌唱指導をしている際に共鳴を失ってしまったら、ボイスポジションを探って基本的な共鳴能力を短時間で取り戻させることも可能です。
共鳴が出来ている時は力が抜けている時です。
腹式呼吸も比較的上手に作用している時です。

歌唱指導をしている時、生徒は自分の発声方法を見失いがちになります。
その場合は、歌唱指導を一時中断し、基本的な発声方法をもう一度理解して貰って下さい。

ボイスポジションは、あらゆるレッスンの場面で役に立ちます。

第4版 Ver.2017.07.10 変更点
・全体的な文章校正
・言葉使い、言語の統一(ひらがな、全角半角の統一含む)
・日本ボイストレーナー連盟の各ページのロゴを省略
・Session1 P.8の上半身図の「腹横筋」の追記。その他文章修正
・Session3とSession8の声帯図の向きの統一
・Session4の「I(イ)」の図の解説文
・Session9【ミックスボイス・ウィスパーボイス】Session追加
・Session10 マイナースケールの半音の灰色ライン部分の修正
・Session12 ソルフェージュの譜面の差し替え
・Session14 図に「腹横筋」文字の追記
・Session15 ビブラートの図。舌の絵の修正、動きの詳細文の省略
・Session20 生理食塩水の分量の記述を省略。

第3版 Ver.2015.12.01 変更点
・文章表現の見直し及び、誤字・脱字などの修正
・Session12を【リズム】から【ボイスポジション】に変更
・生理食塩水については、医療的立場では責任を全う出来ないという当連盟の考えから当該項目の件を全文削除致します

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