Session7【ファルセット】

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ファルセット

ファルセットとは「裏声」とも言われます。
かなり高い音域の「声区」(声域区分の略)、いわゆるヘッドボイス(Session8参照)です。
ジャンルによっては、割と力の弱い声区とされていますが、ロックを歌う場合に力が弱くては話になりません(例:メタル系)。
ですからファルセットでも、力強いパワーのある声の出し方も場合によっては必要だと考えます。
声量に関係なく、ファルセットはどうやって出せばいいのでしょうか。
以下は、その方法について解説していきます。

1. まず、口を「A(ア)」の形にして下さい。
2. 全身の力を抜いて下さい。
特に肩から上の力を抜いて下さい。
顎に力を入れたり、口の中に力を入れないようにして下さい。
3. 上記の状態で、いわゆる裏声を出してみて下さい。
この時、どこかに力が入っていてはNGです(特に舌が上がらないように)。
力の抜き具合がファルセットを安定して出すコツになります。
喉に力が入ったり閉まっていては、絶対にか細い音しか出ません(もしくは全く出ません)。
4. 横隔膜を一気に腹式で押し上げて下さい。
高音なので、パンチのある空気の押し上げが必要です。
輪郭のある空気の状態は、パンチがありファルセットにも芯が出ます。

ファルセットを発声する前に、もう一度確認して下さい。
全身(肩、顎周り、お腹周り)が力んでいないかどうか。
声を出す前から力んでいるケースがほとんどで、そのような状態ではファルセットでの「音のアタック感」は出せません。

ファルセットに関しては、個人差はありますが「U(ウ)」か「E(エ)」の音が一番出しやすいです。
ただ、「U(ウ)」「E(エ)」ですと口の中の形(舌の状態)が分りにくいので、「A(ア)」を例に説明してみました。
何度も言いますが、とにかくファルセットは、いかに力が抜けるかが重要です。
力が抜けている状態で喉がしっかり開いていれば、上咽頭で共鳴が起こります。
息のバランスも必要です。
高音になればなるほど上咽頭での共鳴は必要になりますので、ファルセットはヘッドボイスの代表格と言えます。
ハミングで練習してみるのも手です。
ファルセットを出しながら、ハミングを行って『唇の振動』と『鼻息の量』を調節してみてはどうでしょうか。
ファルセットは難易度が高い、まさに「高等歌唱技術」です。

第5版にあたる Version5.0 を2023.7.4にリリースしました。
・全体的な文章校正
・言葉使い、言語の統一(ひらがな、全角半角の統一含む)
・各Sessionの図の差し替え
・Session9【ミックスボイス・ウィスパーボイス】の内容改訂
・Session15 【ビブラート】の内容改訂
・Session17 【ボーカルトレーニング】の内容改訂
・Session19 【ボイストレーニングの必要性】の内容改訂
・Session20 【喉のケアの方法】の内容改訂

第4版 Ver.2017.07.10 変更点
・全体的な文章校正
・言葉使い、言語の統一(ひらがな、全角半角の統一含む)
・日本ボイストレーナー連盟の各ページのロゴを省略
・Session1 P.8の上半身図の「腹横筋」の追記。その他文章修正
・Session3とSession8の声帯図の向きの統一
・Session4の「I(イ)」の図の解説文
・Session9【ミックスボイス・ウィスパーボイス】Session追加
・Session10 マイナースケールの半音の灰色ライン部分の修正
・Session12 ソルフェージュの譜面の差し替え
・Session14 図に「腹横筋」文字の追記
・Session15 ビブラートの図。舌の絵の修正、動きの詳細文の省略
・Session20 生理食塩水の分量の記述を省略。

第3版 Ver.2015.12.01 変更点
・文章表現の見直し及び、誤字・脱字などの修正
・Session12を【リズム】から【ボイスポジション】に変更
・生理食塩水については、医療的立場では責任を全う出来ないという当連盟の考えから当該項目の件を全文削除致します

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