『マツコ&有吉の怒り新党』でのVTRの監修、および取材協力

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2016年10月5日 にテレビ朝日で放送された『マツコ&有吉の怒り新党』という番組に一般社団法人日本ボイストレーナー連盟がVTRの監修、および取材協力という形で番組に参加させて頂きました。

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その際に多くのご質問を制作サイドの方々から頂いておりました。カラオケに関する用語を詳しく解説して欲しい、という趣旨です。

終始和やかな雰囲気で進み、ちょっと写真も撮影さえて頂きましたが(今皆様がご覧になられている画面にある写真が取材時の写真です…写真に写っているのが私です)。

さて、テレビカメラが一台入りインタヴューが始まり早速録画開始という流れが始まりました。
当日私へ頂いたご質問とその回答を以下に記します。

【マツコ&有吉の怒り新党の制作会社様からのご質問】
①ビブラートとは何か?
②こぶしとは何か?
③フォールとは何か?
④しゃくりとは何か?
⑤ロングトーンとは何か?

以上5点です。

以下、当連盟代表理事青木亮(私)による回答となります。

①ビブラート

ビブラートという用語は、声に限らず他の楽器においても使用される音楽用語ですが、今回は声に限って解説します。
ビブラートというのは、非常に短い間隔で音程を上下に揺らす発声方法です。
声帯へ力みを微妙に加えたり抜いたりを高速で行う事で、音程が上下に揺れます。

元々ビブラートが掛けられる歌手と掛けにくい歌手は決まっていて、そういう部分(掛けられる掛けられないという点)も個性として捉えられる事もあります。
わかりやすく実際のアーティスト名で例を挙げると、宇多田ヒカルさんはビブラートを使っているという事になります。

②こぶし

こぶしとは、演歌歌手が主に用いる手法で、ビブラートとは大きく異なります。
ビブラートは、声の響きの厚みが高速変動するものでしたが、こぶしは歌い回しの事です。

音程がビブラートに比べて乱高下する振り幅が半音以上よくありますし、ビブラートに比べて音の移動が急速になったり、ゆっくりして、とにかく激しく感情的です。
こぶしは演歌や民謡の歌唱方法ですが、ロック歌手でもハウンドドッグの大友康平さんが使っているものもこぶしと言って良いでしょう(ビブラートは半音も声を伸ばす際に乱高下しない)。

確実に分かり易いボーカリストとしては演歌歌手の石川さゆりさんの歌われる『天城越え』のサビの終わり部分はこぶしです。
イメージとして伝わりましたでしょうか?

③フォール

フォールとは、別の言い方ではグリスダウンとも言います。
その名の通り、音から音に移り行く際に落っこちて行く発声方法です。
歌だけではなくて吹奏楽でも使われる用語です。
音から音に移り行くというのは、例えば1オクターブ離れている「ド」から「ド」へフォールする場合、音階を1つ1つ刻んで落ちるのではなくて、飛行機が落下する際の音の様に「あーーーーぁ↓」と声を落として行きます。
ため息で漏れる声「はぁ~ぁ↓」……これも落っこちますがフォールとは言いません、ため息はため息ですね。
それを歌に取り入れたものがフォール。

④しゃくり

フォールの対義語です。
プロの現場では、グリスアップとも言います。
音階を1つ1つ刻む事なく、飛行機が上昇する時の音の様に音(声)を上げて行きます。
歌手でやられている方は、B’zの稲葉浩志さんは高音をシャウトをしている時によく使われております。
声がどんどん上に伸びて行く、あのカッコいいシャウトですね。

⑤ロングトーン

長い間隔で、発声を同じ音で一定の声量を維持しつつ続ける事です。
ビブラートは掛けないで、綺麗にまっすぐ発声します。
ボイストレーニングの練習方法でもよく取り入れられます。

腹式呼吸で横隔膜を下腹部を凹ませ上へ持ち上げ、肺に圧力を掛け、徐々に吐いて行く息に声を乗せます。
歌手では、玉置浩二さんが最近はロングトーンの様に真っすぐに歌唱される事が多いです。
あるテレビ番組でご本人も「最近はビブラートを掛けないで真っすぐ歌おうと思ってやっている」という趣旨のご発言をされていました。

以上になります。
上記の様な回答をさせて頂きました。

私と致しましては、TVというメディアを通し微力ではありますが、ボイストレーニングがどういうものなのか?を世間様にPR出来てとても良かったと思います。
是非ともまた皆様にはメディアに限らず、日本ボイストレーナー連盟の勉強会、授業、JAVCERT(日本ボイストレーナー連盟資格認定)を受けて頂きまして、ボイストレーニングが世の中に広く浸透出来ればと考えております。

ライセンス(JAVCERT)について

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今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
またテレビ朝日の関係者の皆々様、どうもありがとうございました。

一般社団法人      
日本ボイストレーナー連盟
        青木 亮

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