どうしてもしゃくりが上手に出来ません。

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【質問タイトル:どうしてもしゃくりが上手に出来ません。】

はじめて質問をさせて頂きます。
宜しくお願いします。

私は20代後半の女です。
実は演歌を歌っています。
こぶしを利かせてうたってはいますけれども、どうしてもしゃくりが上手に出来ません。
こちらの連盟で勉強もさせて頂いておりますが、しゃくりについて書いてあるのはグリスダウンとかグリスアップのところでしょうか?

また、そうだとしてもグリスダウンもグリスアップも息が続きません。
これは胸式呼吸だからというのもありますか?

色々質問してしまってすみませんが、しゃくりの件。
それから胸式なのか腹式なのかの件についてご回答をお願い致します。

【連盟技術担当スタッフ:以下回答】

ご質問ありがとうございます。
それでは回答させていただきます。

「しゃくり」についてですが、近年は特にカラオケ機械の採点精度が精密になり、カラオケの点数をテーマにしたテレビ番組なども多くなり、以前に比べて「しゃくり」等の認知度や注目度も高くなってきました。

このようなボーカルテクニックを行うには、まず基礎の部分はしっかりできている必要があります。

腹式呼吸・共鳴・音程 etc…

「しゃくり」については基礎の部分ができている前提でお話させていただきますが、ご質問者様の方で、グリスダウンもグリスアップも息が続かないということで、おっしゃるとおり、胸式呼吸になってしまっている可能性があるので、それも織り交ぜてお話させていただきます。

他に基礎の部分で苦手な部分があれば、まずはそこをクリアしてからとりかかるようにして下さいね。

「しゃくり」 = 正確な音の高さに対し、低いところから入り、段々と正確な音程に寄っていく事を『しゃくり』と言います。

歌を歌い、曲が流れていく時間の中で、しゃくり等のテクニックが入るのはほんの一瞬です。(0.5秒か0・3秒くらいでしょうか)

それだけ一瞬のことを意図的に入れていくにはやはり高度な技術が必要で、繰り返しの訓練が必要ですが、あせらず順を追って行えば必ずできますので、がんばってください。

「正確な音の高さに対し、低いところから入り、段々と正確な音程に寄っていく・・・」と説明させていただきましたが、他に似ているテクニックがあることにお気づきでしょうか?

「ビブラート」です。

歌手の方々が、フレーズの伸ばす部分などで行う声の揺れです。

「本来の音程から、なめらかに音程を半音弱ほど下げ、またなめらかに元の音に戻る」ことを何度も繰り返し行うテクニックです。
このビブラートも音程の変化を意図的にすばやく繰り返すテクニックです。

たくさんの生徒さんを見てきましたが、しゃくりができない方のほとんどがビブラートも苦手な場合が多いです。

順番として、ビブラートをしっかり行うことから始めてみてください。
ビブラートの揺れの波も、ゆったりな方、すばやく高速で行う方、さまざまいらっしゃいますが、まずはゆっくり、意図的に揺らすことをしっかり意識して行うようにして、だんだん早く行えるようにボイトレしてみてください。

ビブラートのボイトレ方法についての記述は、
当連盟の『ボイストレーニングガイドライン』のSession14【ビブラート】に記載させていただいておりますので
是非参考にしてみて下さい。

適切なボイストレーニングにより、これが意図的に無理なく自然にできるようになれば、喉の使い方や発声が器用になり、しゃくりだけでなく、フェイク(演歌では使わないかもしれませんが)等のテクニックにも応用でき、歌の表現力を高めるツールとして使うことができるようになると思います。

また、グリスアップ・グリスダウンについて、息が続かないとのことですが、息が続かない原因はいくつかあります。

・根本的に呼吸量が少ない。
・呼吸量はあるが、息を吐きすぎてしまっている。
・胸式呼吸になってしまっている。
・体全体に力みが生じている。

などです。

ご質問者様自身、胸式呼吸かもしれないと思う部分があれば腹式呼吸をしっかりできるようにボイストレーニングしてみてください。
胸式呼吸によって体全体に力みが生じてしまっているかもしれませんので、力はできるだけ抜いた状態でトライしてみてくださいね。

呼吸量が少ない場合に関しても、腹式呼吸のボイストレーニングの中で量を少しずつ増やしていけるようにするのが近道です。

一番多いのは、集中しすぎて息を吐きすぎてしまうパターンです。
あたりまえですが、必要な呼吸以上に吐いてしまうとどんな人でも続くわけはありませんので、少ない呼吸量でしっかり共鳴させるボイストレーニングを行うことで、無駄な呼気を使わずにブレス、発声ができますので、こちらも意識していただけたらと思います。

ブレストレーニング、またしゃくり等のお話をさせていただきましたが、高等歌唱技術になるため、やはり直接ボイストレーナーをつけてしっかりとしたボイストレーニングをしていくのが一番近道です。

ご要望があれば、当連盟によるボイストレーナー紹介制度よりご紹介も可能ですのでお気軽にお問い合わせください。

ご不明点がありましたら、是非お気軽にお問い合わせくださいね。

がんばってください。

~連盟スタッフより~

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